新伝説ブログ

吉原の現実を映し出す行灯部屋

2011年03月12日

吉原では、灯りが途切れたり火事にならないように、夜を通して番をする係もちゃんといた。「油差し」とよばれる、吉原の灯りの世話をして回った男性だ。さまざまなスタイルの燭台や行灯に油を注いだり芯を調整するために、夜中、各部屋を回っていく。何も異変がないかを確かめるガードマン「不寝の番」の役割を兼ねることもあるという。そして、朝。不要になった行灯は、「行灯部屋」とよばれるところへしまい込まれた。この部屋は、寝室で使われた使用済みの行灯をしまっておく場所。当時、照明器具は貴重たっただけに、昼間は一カ所にしまって管理されていたのだ。大体、階段の下の薄暗い部屋がこの行灯専用の部屋にあてられた。ところが、しまっておくのは、行灯だけではなかった。病気の遊女を寝かしておく場所にもなったのである。長い間患ったあげく、亡くなってしまう遊女も少なくなかったという。また、主人にくっついてきたお供を主人の頼みでこの行灯部屋に寝かしておくこともあった。支払いが滞ってしまった客を、支払いが済むまで閉じ込めておく場所としても活躍。使いが家族や知り合いに事情を説明した紙を届け、費用を届けてもらえば、脱出できたという。行灯部屋は、光の魔法が解けた吉原の現実を映し出す空間だったのだ。歴史上の人物は、光を巧みに使いながら戦争に勝ち、ピンチを切り抜けてきた。そのエピソードをいくつかみていくことにしよう。